発酵食品とは、微生物のチカラによって食材の味だけではなく、栄養価や吸収力が高められた食品のことです。人間にとって都合の良いものは「発酵」、悪いものは「腐敗」と呼ばれますが、微生物にはどちらも同じ生命活動です。 発酵文化は、旧石器時代に食糧を備蓄するための保存食として発展しました。特に日本には、「麹菌(コウジキン)」という最も分解能力に長けたカビがあるおかげで、世界に類をみない質の良い発酵食品に恵まれています。例えば、醤油や味噌、味醂やお酒、納豆や糠漬けなど。先人は発酵食品を通して、腸内細菌を強くし、腸内バランスを整えてきたと考えられます。日本独特の発酵食品がもつ滋味が、人々にもたらす価値はとても偉大です。 また、近年の研究では、「腸と脳は繋がっていて、互いに影響し合っている(脳腸相関)」ことがわかっています。つまり腸は、身体を健やかに保つだけでなく、喜怒哀楽といった心の情動、私たちが日々何気なくしている選択や決断も、腸が導いていると考えられているのです。 そして今、日本の発酵食品は、世界中から注目を集めています。発酵飲料KOMBUCHA(コンブチャ)は、アメリカをはじめ世界中で人気となり、さまざまなフレーバーを加えたボトル飲料として販売されているだけでなく、ニューヨークではコンブチャの作り方を学べるスクールも話題となっています。 これを機に、発酵食品への関心を深めていただき、心もからだも健やかな人々が増えるおためのお役に立てたら、こんなに嬉しいことはありません。
no.108酵素 監修
発酵料理士協会アドバイザー
陽葵ゆき